SET-Jとは

プログラムの目的、内容など
在ボストン日本領事館、ボストン日本語学校、メッドフォード教育委員会が後援してアメリカ人教員を日本に派遣して、日本の教育、文化、習慣などを見聞きしてもらうプログラムがありました。ローレンススクールもそのプログラムに参加し、過去に校長先生、副校長先生、教育委員長、二名の先生が派遣されました。1999年には上記後援によるプログラムが終了してしまいましたが、2002年よりローレンススクールにSET-Jを立ち上げ日本人保護者の運動により継続しております。多くのアメリカ人にとって、日本は遠い上に言葉も生活様式も全く異なります。アメリカ人教諭に日本の習慣、文化や教育を理解してもらう事にこの派遣は大変大きな影響を及ぼしています。日本では、約10日間かけて各地を回り、平和記念資料館や小中学校などの訪問、ホームステイも体験します。日本全国に数百人いるローレンス帰国生、ご家族の方々、またはSET-Jの活動に興味を示してくださる他機関のご協力を頂いて、アメリカと日本での連携を取り合いながら、毎年この派遣旅行を行っています。派遣された教諭は、この貴重な体験を、毎年、全校生徒、保護者へ報告しています。

2024年7月4日木曜日

7月4日(木曜日)神奈川県の学校訪問

神奈川県の小学校をアテンドくださいました後藤さんから当日の様子とお写真を共有いただきましたのでご紹介させていただきます。

午前8時半頃、小田急線愛甲石田駅でNora先生とJenny先生と合流し、車に乗ってご案内を開始しました。予定よりも30分ほど早めの合流だったため、急遽、見学予定の学校に向かう前に、街の中を少しだけご案内することに。
街に到着するまでの間、沿道に広がる田畑や大山をはじめとする緑豊かな山々に囲まれた、都会ではない日本の郊外の景色に目を奪われていらっしゃいました。森の里に到着してからは、児童が交通事故の心配なく安全に登下校し、公園に遊びに行ける広い遊歩道が街全体に整備されている様子や、遊歩道に隣接している公園の様子などを見て、日本の住宅地の安全さや清潔さに驚かれていました。
午前9時頃に、厚木市立森の里小学校(森小)へ移動。
門の前で写真を撮った後、森小側とのお約束までまだ時間があったため、校庭など、外の様子からご覧いただきました。 


Nora先生とJenny先生には、校舎や体育館が大きく感じられたようです。校庭が広いだけでなく、子供たちが虫やカナヘビ(トカゲ)などの小動物を捕まえたりして遊べる森林スペースがあることなど、自然にあふれた教育環境に感心していました。また、「上り棒」や「雲梯」、「懸垂棒」、「鉄棒」など、ぶら下がったり上ったりするような遊具が多いとコメントしていました。
子供たちがキュウリなど野菜を育てている畑を見たり、夏の風物詩の燕の巣と雛の様子を眺めて和んだりする一方、校舎裏にある防災倉庫を見ながら、日本の公立学校は災害時の広域避難所でもあることをお伝えすると、お2人が表情を引き締める場面もありました。
この日の予報最高気温は34度。熱中症警戒アラートが発令されていて、この時点でかなりの暑さ。員すでに汗だくです。

午前9時半に森小の校舎内へ。
教頭先生が急遽出張で不在となったため、教務主任の先生が校舎内を一通りご案内くださいました。校舎内を見てまわりつつ、各学年の教室にもお邪魔して、授業の様子も見学しました。
1年生は算数の授業中で、Chrome bookを開いて足し算・引き算の問題を解いていました。2年生は国語の授業。読んだ本の紹介文を書く課題に取り組んでいました。6年生はちょうど英語の授業中で、各班に分かれ、自分の書いた文章を発表し合っていました。
森小はこの地域の特別支援教室設置校でもあります。特別支援教室で、手作りのセンサリー遊具で児童が遊ぶ様子を見て、お2人とも興味深そうにしていました。


見学途中に2時間目と3時間目の間の通称「15分休み」が始まり、子供たちが校舎内を先生なしで自由に動き回り、思い思いに過ごす様子を見て、「なんて自立した子供たちかしら」と驚いていました。

児童が出入りする広い昇降口を眺めていると、下駄箱の上に赤い旗が斜めに立てられていました。教務主任の先生によると、熱中症アラートや高温注意報が出ている日は、危険なため外遊びは禁止だそう。
それを簡単に子供達に知らせるのが「赤旗」とのこと(安全な日は白旗を立てる)。Nora先生とJenny先生は、「子供たちが休み時間に自由に歩き回り、Independentに行動する日本の学校だからこそ、こういう周知方法がとられるのね」と感心していらっしゃいました。

お手洗いもちょっとしたトピックになりました。森小のお手洗いは、洋式トイレにリノベーションされ、扉などの設備も新調されています。生徒が使った後でも床にゴミがなく綺麗な様子を見て、Lawrenceではこうはいかないと違いに衝撃を受けていらっしゃいました。

理科準備室などを見て、教材の保管場所が多く確保されているのを羨ましがる一幕も。また、体育館の広さに驚くと共に、エアコンが付いていないと聞いて別の意味でもびっくり。猛暑の続く夏の間は、外にも出られず体育館も使えず、体育の授業が中止になる日も多いと聞いて、お2人はLawrenceの冬に校庭が凍りついて出られなくなる様子を連想されたようでした。暑すぎても寒すぎても難儀ですね。

次に3・4年生の合同プール授業を見学しました(児童数減少のため、1学年に1クラスしかなく、プール授業は2学年合同で行われています)。レベル別に3グループに分かれ、それぞれを先生が指導していました。森小に体育専任教師がいないことを知り、「Homeroom teacherがswimmingの授業まで行うの?!信じられない!」と悲鳴のような声を上げたNora先生とJenny先生。日本では、ほとんどの授業を担任教師がこなし、専任教師がつく授業が少ないことに驚きを隠せないご様子でした。


4時間目には、息子のいる2年生のクラスで、Nora先生とJenny先生にPPTでLawrenceの紹介をしていただきました。子供達は興味津々で、次々に質問を繰り出していました。「気温はどれくらいですか?」「生徒は何人くらいいますか?」「給食は買わないといけないんですか?」…などなど。子供たちの勢いに、お2人も嬉しそうに回答されていました。
質問タイムの後、Piggy and Gerardの「Let’ go for a drive」をぬいぐるみ劇をしながら子供達に読み聞かせし、お手製のPiggy and Gerard神経衰弱ゲームをして盛り上がり、授業を終えました。

 
給食の時間、Jenny先生は教え子だった2年生の息子のクラスに、Nora先生は出張から戻られた教頭先生と共に娘のいる4年生のクラスに移動しました(主菜がお魚だったため、Nora先生には大豆ミートで作ったハンバーグを持参し、召し上がっていただきました)。
お2人は、給食の配膳を子供たちが行う様子に興味津々。ただ食事を運ぶだけでなく、盛り付けを児童自身で行うことに衝撃を受けたご様子でした。また、新型コロナ以降、給食のスタイルは代わり、森小では現在でも、子供たちが机を移動させずに、ただ前を向いて静かに食事を済ませていきます。子供同士の会話は極力しないルール。早く食べ終わった子は自分で片付け、黙って読書。静かなその様子に、お2人とも驚いていましたが、子供達から「もっとうるさい日もあるよ」と教えられて「Lawrenceと同じだね」とクスっとする場面も。
このほか、Snack timeが存在しないことや、マニキュアやアクセサリー類が学校で禁止されていることにも衝撃を受けていらっしゃいました。



昼休みの後、5時間目には娘のいる4年生のクラスでNora先生とJenny先生から学校紹介をしていただきました。
「どんな遊びが流行っていますか?」「給食のメニューはどんなものがありますか?」「Lawrenceは有名な学校なんですか?」「校歌はありますか?」「ランドセルを使っている生徒はいますか?」…などなど。
4年生からも怒涛のごとく質問が飛び出し、時間が足りなくなるほどでした。その後、2年生のクラスと同様に、「Let’ go for a drive」の読み聞かせをぬいぐるみ劇と共に披露いただき、Piggy and Gerard神経衰弱ゲームをして締めとなりました。

 
その後、職員室の休憩室で冷たいお茶を頂戴してひと休み。
Nora先生とJenny先生は、「Let’ go for a drive」を森小に贈呈し、教頭先生が代表で受け取ってくださいました。学校の図書館に置いていただけるそうです。それから教頭先生や、英語専任の先生から、日本の教師ライセンスの仕組みや小学校のカリキュラムのことなどを教わり、マサチューセッツ州との違いを感じていらしたようです。


最後に4年生の帰りの会を見学して、学校見学は終了となりました。


昇降口のミストを浴びて出発し、車で予約したお店に向かいました。
丹沢山系の大山のふもとでは、「大山豆腐」が名物とされ、古くからの街並みが残されている地域があります。今回はそちらへご案内いたしました。
畳の上に、和室用の卓と椅子が並べられ、床の間の掛け軸や几帳、幅1mは超えそうな大きな扇など、純和風のしつらえに目を奪われていらっしゃいました。

 
 
お食事はコース料理で、いろいろ召し上がっていただきましたが、中でもメインは、卓上の固形燃料で熱した鍋の中で、湯葉を食べつつ、自分で豆乳の中に「にがり」を加えて作るおぼろ豆腐。主人以外は全員初めての経験で、わいわい賑やかに美味しくいただきました。
午後7時すぎ、Nora先生とJenny先生を伊勢原駅にお送りし、3日後の懇親会での再会を約束してお別れいたしました。
私たちにとっても、森小にとっても、貴重な経験となりました。Nora先生とJenny先生、並びにSET-Jの皆様に心より御礼申し上げます。


豊かな自然の中で、子どもたちが安全に過ごせる街と学校、とても素晴らしいですね。NoraとJennyが学校訪問の中で様々な驚きや感動に出会われた様子が鮮やかに綴られていて、とても微笑ましい印象を受けました。NoraとJennyを囲んでの記念写真もとても素敵ですね。お暑い中、朝からアテンドを務めてくださいました後藤さん、学校訪問にご協力くださいました森の里小学校の先生方、皆様、SET-J活動にご理解・ご協力くださいました皆様、本当にありがとうございました!

NoraとJennyのブログもご紹介させていただきます。 

*神奈川の学校訪問*
https://sites.google.com/psbma.org/jennynorainjapan2024/daily-events/day-6-july-4_kanagawa?authuser=0


SET-J 一同

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